風景写真家が教える撮影のコツ!

風景写真家が教える撮影のコツ!

皆さん、こんにちは!プロフォトグラファーの小河俊哉です。
今回は、「こんな時どうする?撮影シーン別実践攻略法!プロフォトグラファーが教える撮影のコツ!」ということで、プロフォトグラファーが実際の撮影現場では、どんなことに気を付けながら撮影しているのか?という点をメインにしながら、「どんな用品を持って現場に向かっているのか?」や「撮影に向かうまでの準備」など撮影の現場に向かう準備の段階から初級者の方にも分かりやすく解説させていただこうと思っております。

さて、一言で「撮影シーン」と言いましても様々な撮影シーンがあります。カテゴリーに分ければ自然風景、スナップ、ポートレート、物撮り、花、等々があり、さらにそこからシーン別にするとなると膨大な量になってしまいます。ですので、今回は自然風景の中で人気のある「朝日夕陽や空の撮影」、「滝の撮影」、「海や湖の撮影」に絞ってお話させていただこうと思っています。

前置きはこのくらいにしてさっそく本題に参りましょう!

まずは準備のお話から!

「撮影に持っていくと便利な物」のお話です。

三脚はスリック製のカーボンマスター834の脚に、雲台はバル自由雲台を組み合わせて使用。バッグは「座れるカメラバッグ」として有名なSanctuary(サンクチュアリ)Ⅲ ISリュックを気に入って使っています。

これ便利なんですよ!風景写真撮影は「あの雲が切れるまで・・・」とか、「風の向きが変わるまで・・・」など、どうしても「少しの待ち時間」が出てきます。そんな時ちょっと座るのに便利です。膝に古傷を持っている身としてはとても助かります。また、骨組みが丈夫なので万が一の転倒の時でも中身を守ってくれそうです。近くにいらっしゃった方にご協力を願って、実際に座っていただきイメージショットを撮影させていただきました。こうして腰かけて待つとだいぶ楽チンです。

その他にも、バッグの中には様々なレンズやブロアー(大)、埃取りの紙、綿棒、レンズ置き兼レンズ拭きにもなるカバー、カメラ用レインコート、カメラ用予備バッテリー、レリーズ、パーマセル等々を詰め込んでいます。

その他、夏は日焼け止め、虫よけスプレー、かゆみ止めのぬり薬、絆創膏、クマ鈴、レインコート、ペットボトルに凍らせた水、タオル、小さいサバイバルナイフ、コンビニ袋数枚、ねじ緩め用に500円玉。などをバッグとベストに分けて持っていきます。PCやハードディスクは万が一の転倒のリスクを考え持ち歩きません。また、暑くても長袖Tシャツと長ズボンにしています。
山歩きをする時は食べ物の匂いにはかなり気を付けます。その他、甘いにおいがするリップクリームなども野生動物を引き寄せてしまいますので持ち歩きません。

次はフィルターです

撮影に持っていくと便利なフィルターですが、これも多種多様にあるため僕が常備しているものに絞ってお話します。
C-PLは当然常備ですが、ND8、16、100~1000、そしてNDXを常備しています。また朝陽夕陽の撮影ではトワイライトフィルター・ブルー&レッド、星空撮影用にスターリーナイト、PROソフトン、冬場はクロスフィルター、角形フィルターのハーフND4,8,16、リバースGRDハーフNDは必ずカメラバッグに入れています。

丸フィルターは全て口径82Φで揃え、あとは各レンズの口径Φに合わせてステップアップリングで取り付けています。僕は仕事上様々なレンズを使用しますので、持ち歩くレンズの口径ごとに合わせてフィルターを持ち歩くと結構な荷物になってしまいます。ですので「大は小を兼ねる」ということでこの方法でフィルターを使っています。

フィルターを使う上での注意点

「強く締め込みすぎない!」これ大事です。フィルターの脱着時に寒暖差があると外れにくくなることがあります。この温度差は脱着時の大敵でフィルターを外そうとすると「ん?かたい・・・外れない」なんてことがおきます。こうしたことを防ぐためにも「強く締め込み過ぎない」ことをお勧めします。ちなみに僕は「かるく引っかかるくらい」しか締め込みません。外れなくなってしまったときどうすればいいか?まずは常温の場所で外してみる→それでもダメならフィルター外し用シートを使う。どちらも「押し回す」感じで回すのがコツです。因みに回転方向は、JIS規格で決まっていて「フィルター表を正面にみて」【の】の字方向が締める回転方向で【逆の】の字が緩める方向です。

「締め込み始めと外れる寸前」は要注意

転溝やフィルターの回転溝をナメてしまうと他のフィルターを装着するのに支障が出てしまいます。次に落下の危険性です。締め込み始めは落下の危険性があります。同様に外す時もレンズから離れる瞬間に落下させてしまう危険性がありますので注意しましょう。せっかく買ったフィルターを落として壊してしまったり、失くしてしまったりしたらガッカリです。そんなことが起きないように、僕はフィルターの脱着を行うとき落下を防止するため、「始めと終わり」はかなり気を付けて作業をしています。

実写に向けての場所選び!

撮影地ってどう決める?

さて、撮影地をどうやって選んでいるのか?

スバリ!「行きたいところへ行く!」という事なんですが・・・

とはいえ、色々制限もありますので、当然「行ける範囲で」ということにはなります。ですが、まずは「そこに行ってみたい」という気持ちが大事だったりします。そうした気持ちは必ず写真に出ますので後で見返したとき撮影した写真が躍動しています。そこに行きたい!というモチベーションは結構大事な要因だと思っています。
そうした気持ちのことではなくて・・・という方もいらっしゃるでしょう。具体的な場所選びに関してのキーワードとして「今の時期にしか撮れない」や「そこでしか見られない」など時期的、地域的な要素を考慮します。また、そうしたロケ地をネットで検索すると誰かが撮った素敵な一枚に巡り合うこともあります。そうしたものも参考にされるのもいいでしょう。ここで重要な点として「どこで」、「何を」、「どんな風に」撮影するのか?「先に画作り(イメージ)をして」現場に挑んでいただきたいなと思います。

この記事の作者

小河 俊哉

小河 俊哉(おがわ としや)

東京都出身。
自動車整備士、カースタントマンなどを経てフリーフォトグラファーとなる。
自然、風景、クルマ写真などを専門とし雑誌、クラッシックカーイベントなどで活躍。 現在、作品集作成のため精力的に国内外で撮影中。