広角レンズ実践攻略法!広角レンズでのスナップ撮影について
広角レンズだからこそ撮れるスナップ
スナップレンズというと、皆さんは焦点距離が何ミリのレンズを思い浮かべますか?
おそらくは標準と言われる焦点距離を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
僕自身もスナップで使う焦点距離は35㎜や50㎜の単焦点レンズを使いますが、旅先では20㎜付近の出番が多いです。
35㎜や50㎜のレンズで街スナップをするときは、「切り取っていく」という感覚で構図を決めていくのですが、20㎜~30㎜付近で撮影する場合「何を足してメインを目立たせるか?」という感覚で構図を決めていきます。
いわば少し説明的な写真にはなってしまうのですが、
旅先では「何に(メイン)」目を奪われたのか+「どんな場所で(背景)」という記録的な要素を持たせると後で振り返るときに思い出しやすかったり、また画にメリハリが出てきたりもします。
例えばこの写真ですが、20㎜F2の単焦点レンズで撮影しました。イギリスの名門ジャガーの懐かしい車が街角に佇んでいました。僕はこのクルマのスタイルが好きでヨーロッパの街並みに佇む姿に心奪われました。構図としては伸びやかなフロントマスクをメインにして、背景にヨーロッパらしい建物を入れて撮影・・・なんですが、これでは広角レンズらしい背景の入れ方とは言えません。
広角レンズらしさを出すのであれば、こうして「街にあるもので線を引き」遠近感を演出した画にしましょう。せっかく広角レンズを使っているのですから、特性を使って撮影していくと標準領域では撮れない街スナップを撮ることができます。
街中スナップでもワイド感を演出するため「そこにあるもので線を描いていく」
続いては、人物を入れた街のスナップを見ていきましょう。
大道芸人がシャボン玉で街の人々を楽しませているシーンを撮影しました。もちろんチップをはずんで撮影許可を頂いています。これも上の写真同様建物で遠近感を演出して広角レンズらしい画にしています。
広角レンズは近寄って撮るスナップも面白く撮れます。アーティストにうんと近寄りつつ背景の建物をドン!と入れる。これも広角レンズらしい撮影の仕方です。
近づいて撮ることができる広角レンズはこうしたスナップも楽に撮れます。
旅先で見た店先に並ぶ現地ならではの商品。これを標準領域のレンズで全体を入れ込んで撮ろうと思うと少し離れた場所から撮影することになりますが、そうするとレンズの前に人が入ってきてしまったり、通行の邪魔になってしまう場合もあったりと気を使ってしまいます。
そんな場合でも広角レンズであれば、通行の邪魔にならない近いとこから広く全体を入れ込んで構図構成できますし手早く撮影できますので通行の邪魔にならずに撮影できます。
広角レンズで街スナップというと少し説明的な写真が多くなると考える方もいらっしゃるかもしれません。
僕自身も50㎜の「切り取っていく」という感覚のスナップの撮り方や、35㎜の「広すぎず狭すぎない画角」の落ち着いた画角でのスナップの撮り方も行います。
けれど、よりメインをはっきりさせながらも「いつ」、「どこで」、「何があったのか」という背景も入れた広角レンズならではの撮り方も好きなので、広角領域の入り口~標準領域のレンズだけを使うのではなく、頭に浮かんできたイメージによって広角領域のレンズも使いながら撮影しています。
また、僕は旅先で見た「わぁ!」と思うシーンを、様々な要素を画角に目いっぱい入れた写真が撮りたくなるので、旅写真では広角レンズでスナップ撮影をすることが多くあります。広角レンズはこうした街のスナップでも活躍してくれるレンズです。
オススメの広角レンズ
この記事の作者
小河 俊哉(おがわ としや)
東京都出身。
自動車整備士、カースタントマンなどを経てフリーフォトグラファーとなる。
自然、風景、クルマ写真などを専門とし雑誌、クラッシックカーイベントなどで活躍。 現在、作品集作成のため精力的に国内外で撮影中。